音と紅茶の時間TOPコドモのキオク
2013年10月03日

幼き日のサイクリングロード

小学校一年生の時、私は札幌市白石区の団地に住んでいた。
転勤族だったので、一年間だけ。

白石には、白石サイクリングロードというものがある。
現在は、北広島のエルフィンロードまでつながっているけれど、
当時は上野幌が終点だったような気がする。

どういう経緯かは分からないが、サイクリングをしよう、と
いう話が母達の間で持ち上がり、母と年子の兄たち、
お友達の母とその子供たち、最年少の私、というメンバーで、
秋の休日に、皆で自転車に乗って出かけた。

*****

小学5年生、4年生の兄たちを追って、一生懸命に自転車をこぐ。
もともとタイヤの大きさが大きく違うので、いくら必死にこいでも、
普通に走る兄たちに、どんどんおいて行かれる。

もちろん、少し先に行くと、止まって待っていてくれるのだけれど、
私が、やっとやっとで追いつき喜ぶと、休憩を終えた兄たちは、
ようやく来た、と言って、走り出してしまう。

私が休む時間はなかった。

終盤の坂道で、私が必死で自転車を押して登った後に、
普段は妹思いの兄が言った。

「待ってばかりで、ぜんぜん先に進めない」

がんばっても、がんばっても、兄たちの足手まといになってしまう。
しんどくて、へとへとに疲れていて、悔しくて悔しくて、
私は、とうとう泣き出してしまった。

*****

おやつに食べたキャラメルの中に、血の味に混じって
がりっと固いものがあった。

生まれてはじめて抜けた前歯だった。

*****

夕方、帰り道の最後に、鉄砲雨が降って、さかされて
また一生懸命自転車をこいだ。

地面に落ちた雨が膝まで跳ね上がってくるほどの
ものすごい勢いの雨で、ようやく家に着いたときには、
あまりのずぶ濡れ具合に、皆で笑ってしまった。

*****

それきり、私は家族や友人とサイクリングをした覚えがない。

今でも、大雨の中、自転車で走ると思い出す。
景色も見ずに、ひたすら兄たちの背中を追いかけて走った、
幼き日の記憶。


白石サイクリングロード・北広島サイクリングロード
   〜さっぽろ写真館
白石サイクリングロード〜ジョグノート

posted by かこ at 17:24 | Comment(0) | コドモのキオク
2013年04月10日

仙人になりたかった子供

私は、小学生の時、仙人のような人になりたいと思っていました。

世間の煩わしさから心を離し、惑わず、
ただ、地上で起きていることを雲の上から眺める。

人間関係に心わずらわされるのが、いやでした。

今になったら、そんな心の動かない人になってしまったら
つまらないな、なんて思うのですが、当時はかなり本気で願っていました。

日常のささいなことに、嬉しかったり、楽しかったり、
淋しかったり、哀しかったり、怒ったり、泣いたり、笑ったり。

何より感情が乱れるようじゃないと、恋なんてできないだろうし。

そんなのが、面倒だけど、けっこう幸せだったりします。
たぶんね。

タグ:仙人
posted by かこ at 05:35 | Comment(2) | コドモのキオク
2013年02月11日

おふろでゆらゆらと



meirryのハンドメイドネックレス〜Frechdachs

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子供のころ、お風呂はガス釜で、
今みたいに、足を延ばせる湯船じゃなくて、狭くて深かった。

体育座りみたいにして入るんだけど
ときどき、ひざをかかえて、目をつぶって
そのままお湯に沈んでみたりした。

丸くなって、湯船のどこにも触れないようにして
水面にも出ないように、もぐってみる。

あたたかなお湯の中でふわふわと
髪の毛がゆらゆらゆれて。

おかあさんのお腹の中の胎児っていうのは
こんな気持ちなのかもしれない、なんて考えながら、
暗くて狭くてあたたかな空間にゆられながら浮いていた。

少し悲しかったり、つまらなかったり、
淋しかったり、ゆううつだったり、
行き場のない気持ちを抱えているときは、
一人で、こっそりお湯に沈みながら、泣いてみたりした。

あたたかな水の中でひざを抱えてゆられながら浮かんでいると
誰かに守られているみたいで、少し安心できるような気がしたんだ。

posted by かこ at 09:33 | Comment(0) | コドモのキオク
2013年01月06日

愛された記憶


チャーム天使の羽〜ビーズ工房Moco

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私の父は、子供を8時までに寝かせることに
とても厳しかった記憶があります。

なので、私と兄たちは、夕食を食べてお風呂に入り、
好きなテレビが始まるまでに、大急ぎでパジャマを着て、
歯を磨き、布団を敷いて、それから、居間で
テレビの前に向かいました。

でも、テレビを見ている間に眠くなっちゃったりして、
じゅうたんの上でごろんと横になり、うとうと、うとうと。

テレビが終わって寝る時間。

がんばって起き上がって、
自分で布団に行くことはできるけれど、
幼い私はよくそのまま目をつぶって、
動けないふりをしていました。

そうすると、しょうがないなぁ、甘えっこだなぁって、
父か母が、小さな私をお姫さまだっこして、
布団まで運んでくれるのです。

ゆらゆら、ふわふわ。

そのゆらゆらは、とてもあたたかくて。
それは、とても幸せな記憶で。

今でも私は、ふとしたときに、そのふわふわを
思い出したりします。

そして思うのです。

私は、確かに、愛されていた存在なのだなぁ、と。

*****

私には小さな子供が二人いて、
真剣に100%の愛情を注いだりはしていないけれど、
彼らの心の中にも、静かに雪のように
愛された記憶が降り積もっていればいいと、
祈るような気持ちで、願ったりしているのです。

posted by かこ at 18:34 | Comment(0) | コドモのキオク
2012年05月20日

過去の記憶6?

過去の記憶5より


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過去の記憶を掘り起こす作業が
ずいぶん長引いてしまいました。


が、昨日、運動会後に、ダークな感情を
がーっと放出したら、気が落ち着いたらしく、
なにやら、続きを書かなくても
いいような気がしてきました。


書くんなら、あとどれくらいあるかなーと
思って、ざっと書き出してみると、これくらい(下のリスト)。
途方に暮れてしまいそう。


しかも、書いているうちに、また思い出して
さらに話が増えて、20回くらいになってしまいそうな勢い。


もし、強いリクエストがあれば
喜んで(笑)続きを書こうと思いますが、
ダークな過去を掘り返すのは、いったん
お休みしようかな、と、思います。


ある日突然、書きだしちゃうかもしれないけどね。
シリーズじゃなくて、短編で小出しにするかも。かも。


*****


◆書くかもしれないリスト

過去の記憶6・罠と受験勉強

過去の記憶7・優等生からの脱出

過去の記憶8・違う存在を認めない

過去の記憶9・志望校選択

過去の記憶10・地震と進路変更

過去の記憶11・演劇とダンスと自己解放

過去の記憶12・自分を生かす、ということ

posted by かこ at 04:17 | Comment(0) | コドモのキオク