音と紅茶の時間

音楽と恋の話、想い出話、今の心模様に、紅茶を添えて。

つつじ〜ツヅキサキギ(続き咲き木)〜躑躅

つつじがね、ずっと咲いているの。と、彼女がつぶやいた。桜がつぼみをつける前から咲き始めて、白に赤紫に薄桃色に赤に色とりどりに咲き乱れて。桜が散っても、何も気にしていないように、花をびっしり咲かせて。チューリップが咲き終わっても、春人参の出荷が終わっても、春薔薇が咲いても、まだまだ花がたくさんついているの。しかもね、つつじは咲きながらしおれたり枯れたりしないから、いつまでも葉の上には綺麗な花しか咲いていないの。枯れる前に花を落としてしまうのね。ずっと咲き続けているし、花が終わったかと思うと違う場所で違う色の花が咲き始めるのね。花が咲くのって生存戦略でしょう。あれだけたくさんの花をずーっと咲かせていて、どれだけ子孫を増やすつもりなんだろうって思うのね。樹齢が1000年近い木もあるんですって。もう紫陽花も咲き始めているのに、まだまだびっしりと勢いよく咲いているの。つつじはね、一年中、緑の葉をつけているのよ。もし、つつじが突然変異して、一年中、いつまでもいつまでも綺麗な花が咲き続けるようになって、増殖して、どこの道もつつじの花でいっぱいに埋まるようになったら、私、気が狂ってしまうかもしれない。彼女はふぅ、と、ため息をついて、窓の外の赤紫のつつじから目をそらし、氷が小さくなったアイスティーを飲み干した。

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