音と紅茶の時間

音楽と恋の話、想い出話、今の心模様に、紅茶を添えて。

クリエイター or パクリエイター ?

人は模倣から始める。

素敵な言葉を紡ぎたいと思う人は、きっと心に響く言葉を読んで、自分でもそんな文章を作りたいと願ったのだろうし、素敵な写真を撮りたいと思う人は、きっと写真を見て心を打たれたことがある人なのだろう。

歌いたい、楽器を弾きたい、踊りたい、絵を描きたい、アクセサリーを作りたいetc、いろいろな表現の方法はあるけれど、何かを作りたいと思う人は、過去に誰かが作ったものを受け取り、憧れ、自分もその表現方法を使って、自分を表現してみたいと感じたことがあるんだと思う。きっと。

何かを表現する人が多くの人に囲まれていたり、賞賛されていたりお金を得ている部分だけを見て、羨ましくて、ものを作りはじめる人もいる。

表現したい自分が無いから、周囲の人からの評価が得られないと、簡単に挫折する。憧れの作品のコピーに安易に逃げてしまう。

不幸にも、模倣品の方が自分で考え作った稚拙な作品より評価が高かったりする。

表現とは自分と向き合い、それを形にすること。

自分自身の一部を形にして表に出した作品が、無反応であったり、批判されたりすれば、傷つくだろう。

それよりも何よりも、自分の表現の薄っぺらさに落ち込むのだ。ありがちな、どこでも見かけるような、つまらない作品だと。

自分の作品が過去に感銘を受けた作品を模倣した、ただの劣化版なのではないかという恐れをどこかで抱え続ける。

超えられないという迷い、超えたいという願い、自分が納得いく表現ができたと思う瞬間、その表現が誰かに受け入れられたときの嬉しさ、そういう揺らぎがその人の作品を魅力的にするのだと私は思っている。

パクリエイターがダサいと思うのは、その恐れと向き合っていないから。

誰かの言葉を借りて語り賞賛されれば、自分が褒められ、受け入れられたと勘違いすることができる。評価が悪かったり否定されれば、自分の言葉ではないから、と、心の中で言い訳できる。

表現と向き合っていないから、怖くない。それが単なる模倣であるのか、その先にある自分自身の表現なのか、悩む必要が無い。

揺れが無いから、魅力が無い。

表現と向き合いながら何かを作ることは、喜びも大きいけれど苦しいことであり、誰にでもできることではない。

だからこそ、私達凡人は、作家、クリエイターと呼ばれる人達に憧れるのだ。

パクリエイターが模倣を越えようと努力せずに自分だけで満足している分にはいいのだけれど、その人がクリエイターを自称しているのを見ると、やっぱりざわざわしてしまう。

模倣やコピーに甘んじて諦めて、自分と向き合わない人間が、「つくる人」を名乗るなよ、と思う。

でも、自分で表現してみるのって、楽しい。まだまだだな、とか、なかなかいいじゃん、とか、ぶつぶつ悩んだり、苦笑いしたり、喜んだりしながら、何かを作ってみるのってとても面白い。

最初は真似でいいんだと思う。でも薄っぺらいコピーを越えた先にある自分のオリジナルを探す努力をやめてしまったらつまらない、って思う。

だから私は今日も表現する。「つくる人」でありたいと願いながら。

自分が自分でいられるように。

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