おふろでゆらゆらと
meirryのハンドメイドネックレス~Frechdachs
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子供のころ、お風呂はガス釜で、
今みたいに、足を延ばせる湯船じゃなくて、狭くて深かった。
体育座りみたいにして入るんだけど
ときどき、ひざをかかえて、目をつぶって
そのままお湯に沈んでみたりした。
丸くなって、湯船のどこにも触れないようにして
水面にも出ないように、もぐってみる。
あたたかなお湯の中でふわふわと
髪の毛がゆらゆらゆれて。
おかあさんのお腹の中の胎児っていうのは
こんな気持ちなのかもしれない、なんて考えながら、
暗くて狭くてあたたかな空間にゆられながら浮いていた。
少し悲しかったり、つまらなかったり、
淋しかったり、ゆううつだったり、
行き場のない気持ちを抱えているときは、
一人で、こっそりお湯に沈みながら、泣いてみたりした。
あたたかな水の中でひざを抱えてゆられながら浮かんでいると
誰かに守られているみたいで、少し安心できるような気がしたんだ。
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