色辞典という色鉛筆〜IROJITEN
私が色辞典に初めて出会ったのは、中学生の時。札幌の大通公園に近い「大丸藤井セントラル」という大型文房具店。
本のような箱に入っていて、キャッチフレーズが「きっと探していた色がある」。
たくさんの素敵な色に、たくさんの素敵な色の名前。一目惚れした。薄紅、桜貝、薄浅葱、わすれな草色・・・。自然な優しい色に、和の色名。
でも、30色で3000円という価格が、当時の私には高すぎて、10色入りの一巻だけを買うのにも選びきれず、セントラルに行くたびに、手に取っては迷いに迷って、結局買えなかった。
だって、セントラルには、手に入れたい画材や文房具が他にもいっぱいあったんだもの。
中学・高校生時代の私は、文房具や手芸用品、雑貨が大好きで、札幌駅近くや大通公園、狸小路まで、文房具店や手芸屋さんを探して、お休みの日に札幌の街を一日中歩き回った。
狸小路にあった「こみやまや」、その近くの「カナリヤ」、今は無き「五番館西武」、「アスティ45」、「さっぽろ地下街」、「4プラ」、他にもいろんなお店を足がくたくたになるまで、大切に貯めたおこづかいを持って、ため息をつきながら、好きなものを探し回って歩いた。
そのうち、色辞典に第二集が出てしまい、ますます私は選べなくなった。見本を手に取っては戻し、第三集が出る頃には選ぶことを諦めた。
数年経って、就職して東京に来て、文房具屋さんで探してみたけれど、どこにも色辞典は見つからなかった。
今日、ふと、色辞典のことを思い出して、調べてみたら、なんと、普通にネットで販売しているではないか。1988年に発売というから、25年以上。四半世紀を超えたロングセラー。
楽天やAmazonで、全巻セットで6000円くらいで買えてしまう。今の私なら手を出せる価格。
でも、今の私に、大切にしっかりと使いきってあげることができるだろうか?突然の再会に、少し戸惑いながら、しばらく考えてみようと思う。
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