音と紅茶の時間

音楽と恋の話、想い出話、今の心模様に、紅茶を添えて。

幸せな結婚というもの~恋とは感情の振幅である

すっごく好きだった人は、後から振り返るとろくでもない男だったな、
と思うことが多い。

もともと、最初に出会った時から気に入らなかったんだよなーと、
冷静になった時に気づく。

どこかで読んだ。もともとの印象が悪いから、良い部分が
ものすごく素敵に見えてしまう。

女にだらしのない不誠実な男がときどき見せる、真剣さ。
心の歪み、弱い部分。

もしかしたら、私にだけは誠実な人なのかもしれない、ううん、
やっぱり、いろんな女に手を出しているんじゃないだろうか。
「私だけ」が彼を闇から救えるんじゃないか。

揺れる心。冷たい態度に落ち込んだり、ふとした甘い言葉や
優しい態度に跳びあがるほど嬉しくなったり。

その感情の大きな揺れが、脳に「恋」として認識されるらしい。

恋とは非日常のもの。
だから、感情が日常のものとなり新鮮さを失うとき、恋は終わる。
三か月とか、半年とか。長くて三年。

不誠実な男は、やっぱり誰にでも不誠実で、誠実な人は、誰にでも
誠実なんだよね。
いつも不誠実だけれど、自分にだけ特別に誠実な男、なんて存在しない。

幻想。淡く儚くて消える切なさがあるからこそ、恋は面白い。

*****

私の夫は、とてもいい人だ。

はじめて認識したとき、素敵な人だなぁ、とは思ったし、
ときどき、この人、ここがいいんだよなぁ、としみじみ感じることが
あるのだけれど、好きで好きでどうしよう、というように気持ちが
大きく盛り上がったことがほとんどない。

この人は私を裏切ることはないだろうなぁ、と思うし、
私をありのままで肯定してくれるので、一緒にいてとても楽だ。

自分をよく見せようとしなくても、嫌われることがない。
そのままでキミはOK、といってくれる人が身近にいることで、
私はとても強くなれた。

夫は情報工学系の技術者で、面白いデートを企画することもなかったし、
外食より家で食べたい派だし、とにかく派手な部分がない。
軽快なトークとか、うっとりするような口説き文句も言えない。

でも、嘘がない人なのだ。
私はこの人を一生嫌いになることはまずないだろうな、と思った。

だから結婚した。
こんなに盛り上がった感情がないまま結婚しちゃってていいのか?
と不安に思いながら。

結婚して10年以上経ったけれど、私は夫を淡々と好きなままだ。
安定した、安心感のある、平穏な日常。

*****

ときどき、彼だけは私を叱ってくれるから、一緒にいたら
成長できると思って結婚を決めた、なんて話を聞くけれど、
その結婚生活は、ちょっと苦しいものになるのではないのかな、
って思ったりする。

恋は非日常であり、結婚は共同生活だ。

非日常は続かないのだ。
自分の大部分を否定する人や、自分の感情を常に振り回すような人と
長く日常生活を送ることは、なかなか難しいんじゃないかと思う。
価値観や生活感覚が大きく違っている場合もつらい。

恋をしたまま結婚するときには、ふと感情が覚めたとき、
その人を嫌いにならずにいられるかどうか、そこはけっこう
外せないポイントだと思う。

恋愛と結婚は別であるという言葉。それはある意味、真理かもしれない。

*****

あんまり安心できる相手と結婚して、なかには刺激が足りないと
不満になってしまう人もいるかもしれないけれど。

ずっと落ち着いて好ましい人だと感じられる人が近くにいるのなら、
少し物足りないように思えても結婚してみるのも悪くないかもしれない。

私には、技術系男子の旧同級生や、元同僚がたくさんいる。

おおむね地味で、安定して働き、金遣いも荒くなく、穏やかで誠実で、
この人と結婚したら平和な暮らしができるだろうとしみじみ思うのに、
女の人に出会う機会がないまま、機会があっても気軽に口説くことができずに、
誰かから紹介されても、楽しく話が弾まないと交際を断られてしまったりする。

話を聞くと、結婚したくないわけではないというけれど、独身。

ああ、でもこの間、30代後半にして結婚したって話もちらほら聞いたなぁ。
やっと彼のいいところを理解できる人に出会うことができたのね、と
勝手にほっとしたりする。

もし、結婚したいのになかなか相手が見つからないという女子は、
地味で誠実なトークの上手じゃない理系男子にも目を向けてみると
いいのじゃないかなぁ、と思ったりする。余計なお世話だけれど。

私的に、とってもおすすめ。地味な理系男子。

望まないなら結婚の必要はないと思うけれど、
刺激はなくても、自分を肯定してくれる好ましい相手と一緒に暮らすのは
なかなかいいものだと、自分を振り返って思うのだ。

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