音と紅茶の時間

音楽と恋の話、想い出話、今の心模様に、紅茶を添えて。

のり入りたまご焼き

~たべものエッセイ~

*****

母が作ってくれるたまごやきは、砂糖入りで甘かった。

幼稚園のお弁当は、いつも残さずぴかぴかに食べていた。
そんな記憶がある。

ある日、お弁当に入っていたたまごやきは
ぐるぐる黒いうずまき模様があって、私はわくわくしながら口にした。

が、びっくりして、飲み込めないほどの味の衝撃。
なんとも表現できない違和感。

結局、私は食べられずに残して持ち帰った。

小さな私は、幼稚園から帰って、おいしくなくてびっくりしたことを
母に何度も訴えた気がする。

母も、たまには、おしゃれなおかずを作ってみたかったんだろう。
苦笑いしながら、ごめんごめんと、あやまっていた。

それ入り、我が家のたまごやきに、のりが渦巻くことはなかった。

私は思い出すたびに、ぐるぐるのたまごやきはおいしくなかったと
話を蒸し返した。今思えば、悪いことをしたと思う。

たぶん、甘くない、塩味の出し巻卵なら
おいしかったんじゃないかなぁ、と、今、思ってみていたりする。

♪ こちらもどうぞ ♪

梅の魔女 梅シロップを漬けて2週間。すでにほぼ氷砂糖は溶けていて、炭酸で割って飲みはじめている。そろそろ梅の実を取り出して火を入れないと、と思う。 小鍋に梅シロップを漉しながら入れる。とろりとした薄い金色の液体。 弱火にかけながらゆっくり...
1kgのスパゲッティー 「腹一杯食べたくて、アニキとスパゲッティーゆでたんだよ」 部室で、育ち盛りで大食いのタカハシが、私たちに言った。 「へー、偉いじゃん」 「自炊?カンシン、カンシン」 「どのくらいの量を作ったらいいか分かんなくて、一袋全部ゆでたんだよ...
栗ごはん ~たべものエッセイ~ ***** 栗は買ったり頂いたりしたら、すぐに加熱調理しないと、 あっというまに中で虫が大きく育ち、虫食いだらけになってしまう。 今日は、栗ごはん、という日は、母は真剣だった。 茶色のつやつやのたくさんの栗...
母のクリームワッフル 南部鉄器ワッフル型 小学校が早く終わった日や お休みの日には、 ときどき、母がワッフルを焼いてくれた。 いまどきのベルギーワッフルではなく、 小判型の柔らかい厚い皮を二つに折って、 カスタードクリームを挟んだもの。 ***** まず...
無水鍋のスポンジケーキ ~たべものエッセイ~ ***** 私が小さい頃、母は、いつも無水鍋でケーキを焼いてくれた。 はかりにチラシをのせて、砂糖と小麦粉を量る。 ざるでふるうのは、子供の私の仕事。 18㎝のケーキ型には、マーガリンを塗って、小麦粉を薄く...

♪ Pick up items ♪ スポンサーリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です