音と紅茶の時間

音楽と恋の話、想い出話、今の心模様に、紅茶を添えて。

コーヒーのイントネーション

就職で東京に出てきて、まもなくのころ。

職場で、机の引き出しに置いているお茶の話をしていたら、少し離れた席の
先輩が、「ちょ、ちょ、ちょっと・・・」と、慌てた様子でやってきて、
私を後ろに引っ張って言った。

先輩は小声で「コーヒーじゃないよ、コーヒーだよ。」と。
「コ、コーヒーですか?コーヒーじゃなくて、コーヒー、コーヒー・・・。」
「うん。コーヒー。」

北海道では、英語のCoffeeと同じように、一番最初のコの音が高くなる。
東京では平坦に発音する。指摘されるまでまったく気づいていなかった。

先輩も札幌出身。
会話の中で、私がコーヒーと連発しているのが聞こえてきて、きゃーっと
なったのだろう。昔の自分を見ているみたいで恥ずかしかったに違いない。

東京には北海道出身者はけっこういるから、先輩も私と同じように、新人の
ころに、他の北海道出身の先輩から教えてもらったのかもしれない。
先輩とはチームが違ったのだけれど、いつもそれとなく気にかけてくれて、
とてもありがたい存在だった。

それから私は、コーヒーと口に出そうとするたびに、英語のアクセントと
違う方が標準語、と頭の中で繰り返した。関東で20年近く過ごした今では、
平坦にコーヒーと発音できているつもりではあるけれど、時々分からなく
なって、しばし考えることがある。

*****

わりと最近、仕事で知り合った人で、コーヒーを英語と同じアクセントで
話す人がいたので、「ひょっとして、北海道出身ですか?」と聞いてみたら、
「なんで分かったの?」とかなり驚いていた。

「私もそうだったのですが、コーヒーのイントネーションが違ったので。」と
言うと、「上京してから10年以上経つけど、気づかなかった。コーヒーね、
コーヒー・・・。」と、ぶつぶつ繰り返していた。

同郷の人を発見できて、なんだか、ちょっと嬉しくなった。

したっけ。

♪ こちらもどうぞ ♪

「白夜の家族」を終えて〜心に残るものを作っていきたい... すごく久しぶりに舞台に立ちました。芝居という形では、10年以上ぶりです。 昨年末、かつやで涙ぐみながら、カツ丼を食べながら、文ちゃんのことを思い出していました。 ◆かつやの踊り子 そしたら、そのすぐ後に、昔の演劇というかダンスというか...
やわらかなもの ノートPCのキーボードを打っていると、しばしば、 私とPCの間に、下の子供が割り込んでくる。 ちょっと、見えないよー、じゃまー、って言いながら 彼のために少し場所をあける。 ひざの上に、ちょこんと座る。 頭が大きくて、画面が見えない。...
本を読むということ 私は小さい頃、本ばかり読んでいて、頭でっかちな子供だったように思う。知識だけ貪るように吸収して、世界のいろいろなことを分かっていると過信していた。 少し大きくなって、実際に自分の身を以て経験したとき、ああ、あの本に書いてあった文章は、こう...
やる気がないままたらたらやってみよう〜生理的覚醒による優勢反応の強化... 勉強しなきゃ、とか、家を片付けなくちゃ、とか、あの書類を 書かなくちゃ、などと思っているとき、やる気を出そうとしても、 ますますやりたくなくなってしまって、結局、進められないって ことはないでしょうか? 今年は家計簿を書こう!とか新年の目...
自己最低体重記録更新 おいしいものを食べることが、大好きなのにもかかわらず、 気が取られていることがあると、 食べることが、どうでもよくなりがちな私。 今日、ふと、気づきました。 胸が一回り、小さくなってる・・・? ウエストも、やけに細い。 久々に、体重を...

♪ Pick up items ♪ スポンサーリンク

コメント

  • コーヒーの発音とか気にしたこと無かったです
    多分、自分も平坦にコーヒーって言っているつもりですが、
    実は違うのかな?
    あんまり、他の地域の人と話す機会が少ないので
    標準語だと思って話している言葉が実は方言だったって沢山ありそうです

  • 私はそれまでも引っ越しが多くて、標準語OK!習得済み!とか思ってたので
    ちょっと恥ずかしかったですねw
    ようちえん、も特徴的で、コーヒーと同じように頭の「よ」が高くなります。
    後は「ごみなげ・とうきび」あたりですかねー。
    北海道弁でナチュラルに気づかずに使ってしまうのは。

    北海道でも地域によって言葉が違います。九州もかなり違いますよね~。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です