ビー玉と白い砂
砂浜に取り残されたピカピカのビー玉を
ひとり見つめているのが哀しくて、
両手でひとすくい、白い砂をかけるの。
毎日、毎日ひとすくい、そっと砂をかけてみる。
波に洗われて、また、ビー玉が見えてしまったりするけれど
それでも砂を上にのせ続けるの。
そのうち、ビー玉を埋めた場所も分からないくらいになって
波に洗われても、きっと見つからなくなる。
キミと一緒にビー玉を見つめた記憶も
そのうち遠くなって、砂に埋もれてしまうでしょう。
波に洗われて見え隠れするビー玉をひとり見つめて
今日も、両手に一すくい、白い砂をかけてみるの。
キミとここにいた記憶も、砂浜のどこかに紛れて
見つからなくなる日がくるのでしょう。
そう思いながら、両手で砂をすくいながら、
こぼれ落ちる涙が新しいビー玉となってしまうの。
ビー玉と白い砂。
どちらが最後に残るのでしょう。
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