音と紅茶の時間TOPコドモのキオク
2012年05月19日

子供は無邪気?

私は、非常に無邪気ではない
悩み多き子供だったので、
子供はいいわねー、無邪気で。
なんて言葉を聞くたびに、反発したくなったものだ。


女の子は、三歳にはすでに女。媚を売ることも知っている。


*****


ところが、高校時代、クラスも部活も一緒になった
女の子らしく可愛い女子、ミホは、こう言い放った。


小学生の頃なんて、毎日毎日が楽しくて、
なーんにも悩みなんてなかった。
休み時間にはドッジボールしたり鬼ごっこしたり。
走り回るの、大好きだったー♪


カルチャーショック☆
世の中には、本当に無邪気な子供らしい子供というのが、
いたらしい。


この娘とは、本心から分かり合えることはないだろうと
思ったが、何度話しても結局、分かり合えなかった。
表面上は、仲良さそうに見えていたらしいけど。


*****


私は、無邪気じゃない子供だったので
子供の心に闇が訪れた時、
うまく対処できるか分からないけれど、
驚かない自信はある。


反対に、ものすごい無邪気な子供が
生まれてしまったら、どう対処していいか
分からないところだったが、
幸か不幸か、うちの子供たちは、それなりに悩み多き子供に
育っている気がする。


対処に困ると思われる同性の子供も、
神さまは私に授けなかった。


きっと、私には手に余ると思ったのだろう。


*****


ちなみにミホは、私が付き合ったあげく
この男はサイアクだ、と見切りをつけた相手と結婚した。


需要と供給。


世の中には、いろんな価値観を持つ人がいて
それでこそ、世の中全体は、
うまいこと回っていくのだ、と思う。

posted by かこ at 20:48 | Comment(0) | コドモのキオク
2012年05月18日

過去の記憶5・将来への挫折

過去の記憶4より


*****


女子より、男子と話す方が、気楽。
そう思ったのも、この時期。


男同士、女同士なら、自分と違う価値観の相手を
自分の価値観に引き寄せようとしてしまうけれど
もともと違う存在ならば、
そのまま認めることができる。


女の子は、泣くし、怒るし、ひがむし、指し図する。
気を遣わなくてはいけなくて、面倒。


男の子の前でなら、素の自分でいられる。


そんなことを感じていた。


*****


中学生の頃の私の趣味は、
絵を描くこと、手芸することと、お菓子作り。


趣味とは言っても、本気だった。


画材屋、文房具屋、手芸屋に行っては
うっとり道具や生地を眺める。


お小遣いを貯めては、画材を買って
ひたすら絵を描いたり、
自分でデザインした小物を布や毛糸で作りあげた。


お菓子作りも、無心で、ひたすら卵を泡立てたり
バターを泡立てたり。
焼菓子がオーブンで焼けていく匂いが大好きだった。


いつも上出来のケーキを楽しみに
食べてくれる家族がいて、私は幸せだった。


それでも、部活がなく、疲れが溜まっている休日は
食事も摂らず、何もせず、ひたすら夕方まで
寝ている日もあった。


ひたすら眠れば、無になれるような気がした。


*****


ある日、アベくんという男子と隣の席になった。
成績を私と常に争う男の子。


給食のときに、びっくりした。
ミカンの皮をきれいに四つ割りにしてむいて
白い筋もきれいに取って食べる。


食べ終わると、ひっくりかえす。
そうすると、まるで食べていないような
きれいなミカンの皮が、残るのだ。


字も、きれいだった。
雑巾の縫い目も、細かくまっすぐ。
そして、絵も私よりずっと、上手だった。


丁寧に、美しく世界を造るアベくんに
こいつには敵わない、と思った。


将来、画家や、手芸家になりたいなんて
考えた私が、甘く馬鹿だった、と。


負ける勝負は、始めからしない。


私は、将来、どんな仕事に就けば
自分を生かし、稼いでいけるのか、と
いつも考えていた。


過去の記憶6?

posted by かこ at 15:33 | Comment(0) | コドモのキオク

過去の記憶4・思春期の闇

過去の記憶3より


*****


中学生時代。私はひたすら暗かったように思う。
人生に関して、一番真剣に悩んでいた時期。


疎外感。
そんな思いをいつも抱えていた。


合唱部の中でも、クラスの中でも居場所はあった。
一目置かれる存在。


歌もうまいし、人をまとめる強さもある。
たいして勉強していないのに、成績もいい。


プライドは高かった。
自分のやりたくないことをやってまで
人に好かれたいとは思わなかった。


でも、自分がこれでいいとは思えず、とても不安だった。
直さなきゃいけない部分や
欠けている部分が大きくある、と常に感じていた。


心を割って話をできる友人がいないと感じていた。
心から笑って話ができる友達が欲しいと、渇望していた。


好きでいつも一緒に過ごしたいと思う友人たちに、
私より大切な友人がいるという事実。


人は沢山いるのだから、
その人の一番でいることなんて奇跡。
大切に思われる人の一人であるということで
いいと考えないと、と思いながら
満たされない淋しい想いが、心の中で巡回した。


これは、嫉妬、という感情なのだ、と
私は、辞書や本を読んで理解した。


そして、その感情にどう納得したらいいのか
どう折り合えばいいのか
本の中に答えを探して、ひたすら読みあさった。


リストカットをしてみたい、と
何度も思ったのもこの時期。


友人といさかいが起こるたびに
あのときは、こう言う「べき」だったのか
ああ言えば、どうなっていただろうなどと
ぐるぐるぐるぐる考えた。


ひたすら繰り返される自己嫌悪。


自殺はしようとは思わないけれど
穴の中に消えてしまいたい。


だって、自殺をしてはいけないと
本に書いてあったから。


自分の身体を傷つけることは
罪なのだと、本に書いてあったから。


一方で、本で予備知識を大量に入れていた私は
これが、思春期の憂鬱、心の闇ってやつなんだ、
時期を通り過ぎれば、消えていくらしい、
なんて、冷静に受け止めていた部分もあったのだ。


過去の記憶5

posted by かこ at 09:53 | Comment(0) | コドモのキオク
2012年05月17日

過去の記憶3・親友?

過去の記憶2より。


*****


転校すると、いつも思う。
最初にすぐ近寄ってきて、親切にしてくれた子と
のちのちずっと仲良しでいられることは少ない。


私は、たぶん、そういう子と同じタイプではないのだ。


*****


転校先で、同じクラスで、同じ団地の隣の建物に
住んでいる、シホちゃんという友達ができた。


母親同士も仲が良く、放課後よく一緒に過ごした。


シホちゃんは、いわゆる女子らしい好みを持つ女の子だった。


部屋に並ぶ本は、明星、なかよし、りぼん。


シホちゃんは、光ゲンジの誰が一番人気か、
でもやっぱりカーくんが可愛い、とか、力説してくれた。


私は、光ゲンジの誰が誰かなんて
さっぱりどうでもよかったけれど
歌って踊ることが大好きだったので、
中森明菜・誕生物語を読みながら、
いつかおニャン子クラブの
オーディションを受けたいなどと
妄想にふけっていた。


私は、兄たちの買う週刊少年ジャンプを
いつも読んでいたが、
シホちゃんの好きな少女漫画雑誌りぼんも
面白かった。


目がキラキラ、まつ毛がバサバサしすぎている
細い線の絵のマンガは受け付けなかったが、
大好きな話もたくさんあった。


シホちゃんは、本にカバーをかけて
背表紙をきっちり揃えて本を並べる。


私たちは、好みも考え方もあまりに違っていたので、
共感することは少なかったけど、
あなたはこう考えるのね、
わたしはこう考えるよ、なんて話をして
全然違うよねって、よく笑った。


一緒に買い物に行っても、
わたしはこの茶色いバッグが好き、
あなたなら、この紺のポーチを選ぶよね、
なーんて話もよくした。


考え方は違っているけれど、
相手がどんな風に考えるのかは分かっていて
それはそれでいいって思えたから、
私たちは、友達としてやっていけたのだと思う。


*****


ある日、シホちゃんが、言った。

わたしたち、しんゆうだよね?

って。


親友って言葉に、憧れる年頃だった。
価値観も違う、共感することも少ない。
親友、なのかな?


疑問を持ちながら、

う、うん。

と、返事をした。


私たちは、同じ中学校に進学した。
そして、違うクラスになった。


私は合唱部に、シホちゃんは吹奏楽部に。


私は、一緒にいて、全然違うことを考えている
親友と、距離が置けることに
少し、ほっとした。


それでも、私たちは、
少し距離を置きながらも、ながらく付きあうことになる。


価値観が違っても、友達になって関係を作っていける。


そんなことを教えてくれた、貴重な友人。


過去の記憶4

posted by かこ at 08:08 | Comment(0) | コドモのキオク
2012年05月16日

過去の記憶2・友達が欲しい

過去の記憶1から。


*****

私は、転勤族の子供だった。
今ある人間関係は、そのうちリセットされる。
そう思って、同級生とは付き合っていた。


本を読んでいるだけではなく
友達とも遊びたい、そう、突然思ったのは
小学校3年生のとき。


でも、もうその時には、人間関係が出来上がっていた。


どうしたら、仲間に入れるのか、分からない。
鬼ごっこや、ドッジボールをしてみても
全然面白くない。


幸い、一緒に漫画を描いたり、本を読んだり、
たこ焼きを焼いたりできる友人が二人出来たが
その子達と、遊べない日は、家でひたすら本を読んでいた。


*****


小学校4年生のとき、歌うことが大好きだった私は
転校した先で合唱部に入り、面白い子達に出会った。


私のことを面白いと言ってくれる友達。


  かこは、むずかしいことばをつかうね


って笑いながら、指摘してくれた、友達。


いつも四人で一緒に、コーナーを分担して本を作ったり、
カセットテープにラジオ番組?を吹き込んで、
クラスで配ったりした。


放課後は、誰かの家に集まって
次の本の企画を考えたり、手芸をしたり。


おしゃべりしていると面白くて
涙を流しながら、息が苦しくなるくらい笑った。


まさしく箸が転げても笑う、そんな時間が
たくさんあった。


海に行って、波を追いかけて遊ぶこともあった。


*****


その仲間と一緒にいられたのは、たったの一年。


父がまた、転勤になったのだ。


私は、ああ、また、いつものように
引越しの時期が来たな、と思い、
仲間に、さらりと別れを告げた。


  こんど、ひっこしするんだって。


そしたら、友人たちは、激怒した。


  なんで、かこは、そんなにへいきそうなの!
  あたりまえにしてるの!


涙をぼろぼろ流しながら、ものすごく怒った。


私は、その時は、なんでそんなに
彼女たちが怒っているか分からず、
驚きながら、家に帰った。


母に、こんな風に話したら、
皆、すごく泣いて怒ったんだよって言ったら
いい友達が、できたねって言った。


私は、あのとき、仲間たちが本気で
腹を立ててくれたことを
今でも忘れていない。


そして、距離が離れても
切れずにつながっていく人間関係もあるのだと
そのときに学んだのだ。


過去の記憶3

posted by かこ at 13:42 | Comment(0) | コドモのキオク